About "Barbershop"

 バーバーショップとは、19世紀アメリカの床屋さんに起源を持つアカペラスタイル。

 禁酒令の敷かれた当時、床屋が一種の社交場となり、
 集まった客や暇を持て余した人々が流行り歌やフォークソングに
 即興でハーモニーを付けて楽しんだ・・・のがその発端と言われています。

 その特徴は、主にこんな感じです。


 ■パート構成 

 テナー
 TENOR

 高音部担当。
 メロディよりも高いほぼアルトの音域であるため、
 男性ならファルセットで歌うことが多い。

 リード
 LEAD

 メロディ担当。
 甘いバラードから軽快なアップチューンまで、
 幅広い表現力が求められる。

 ベース
 BASS

 低音部担当。
 和音の土台である根音(root)を超重低音で鳴らす・・・
 男声の醍醐味ここにあり。

 バリトン
 BARITONE

 和音の隙間担当。
 ある時はテナーよりも高く、ある時はベースよりも低い音を歌い、
 臨時記号を引き連れ五線を縦横無尽にさすらう。
 ■和音 
 セブンス
 7th

 バーバーショップを語る上で、"和音"の要素は欠かせません。
 最も特徴的なのは7thコード、つまりドミソシ♭が多発することです。

 7thへの思い入れはハンパではなく、本場アメリカで行われる
 コンヴェンションでは、演奏時間中で30%以上7thが鳴っていないと
 失格になるというルールがあったほどです。
 全世界的に見てもかなり珍しい規定ではないでしょうか?

 緊張感があり、トニックへの解決を催すはずの7th。
 なぜこんなにも愛されまくりなのか?
 そういえば・・・

 かのベートーヴェンが交響曲第1番第1楽章冒頭に記した和音は
 他ならぬ7thです。
 「運命」3楽章から4楽章へのブリッジで鳴っているのも7thです。
 楽聖でさえも虜にしてしまう、不思議な魅力があるのです(多分)。

 ■演奏
 スタイル
 STYLE

 バーバーショップの演奏形態は2つ。
 コーラス(CHORUS)とカルテット(QUARTET)です。

 コーラスは文字通り多人数による合唱。
 本場アメリカでは20人前後の小規模なもの、
 我々のような40〜50人ほどの中規模なもの、
 さらには100人以上からなるビッグコーラスまで、
 色んな種類があります。

 カルテットはこれまた文字通り4人組。
 バーバーショップは「アカペラのスタイル」と書きましたが、
 日本で浸透している「アカペラ」とは全く趣きが異なります。
 ボイスパーカッションは無く、メロディ以外のパートも
 曲全体を通して歌詞で歌うことがほとんどです。

 振付
 CHOREOGRAPHY 

 ここまでは主に「音」についての特徴でしたが、
 バーバーショップコーラスは「動き」にも特徴があります。
 曲に合わせた振付、コレオグラフィです。

 本場アメリカのコンヴェンション上位グループなどは
 凄まじい振付が付けられており、
 観ても聴いても楽しい一流のエンターテイメントを実現しています。

 一例を挙げると↓こんな感じです。


 衣装にも趣向を凝らしたものが少なくありません。
 一見「何じゃこりゃ?」というものもありますが
 決してふざけているわけではありません。
 エンターテイメントを追求した結果です。

 ■つまり?
 まとめると

 メロディをテナーとバリトンが挟みこみ、
 これでもかと多発する7th。
 更には50人からのメンバーが、ステージ上で転げまわらんばかりの
 アツいコレオグラフィ(振付)。

 男声合唱にも女声合唱にもない、独特の雰囲気を醸し出します。